ある全盲者の懸命な働き

76歳の全盲者が作り上げた擬似点字入力アプリ

全盲者となった人は何をするにしても行動の自由が制限されてしまい、健常者が当然のように行えることも出来ない状態だ。歩くにしても、書くにしても、移動するにしても、階段を上るといった動作に至るまですべてだ。何とか視力を失った世界に対して慣れてくれば頻繁というわけには行かないものの、慣れていないときと比べればまだ行動を起こすことが出来る。電車に乗るとき、また普通に道を歩いているときなどいつも感じることがある、頑張っているんだなぁと。思ってはいけないことなのかもしれないが、苦しみを知らないからといって他人事のように振る舞うのではなく、情けや同情といった感傷を向けるのではなく、あくまで一人の人間として尊厳を重視しても、やっと紡げるのはこのくらいだろう。無用に手を差し伸べて視覚障害を患っている人に対してそれが本当に救いだと勘違いしている人もいるかもしれないが、そうではない。対等な人間としてきちんと正面から向き合うことこそ、障害を背負った人達に対して出来ることこそ、健常者の為すべき事だろう。

しかしそれでも障害を患っている人にしてみれば、何不自由なく生活している人達を見て妬みや憎悪といった感情を抱かないといったことも時としてあるはず。何に対しても制限が課されない生活を体験したい、そうした一歩を踏み出すためにも障害を背負っている人々は自分たちがより、人間としてあるべき生活が出来るような活動を続けている。

今回の話題として取り上げたタッチパネルというテーマにしてもそう、結果として郵便局のATMに関しては視覚障害を抱えている人でも何とか操作できるようなモデルを設計してもらえることになった。そしてそんな視力が弱いため、時代の先端として取り入れられたスマホでも何とかできないかと、とある全盲の男性が作り出したアプリが話題となっている。開発したのはなんと76才の男性が開発したのはスマホアプリで、画面の数字を指でなぞるだけで点字を打つ要領で文字入力を行うことが出来るものだ。物理的なタッチパネルが存在しない中では非常に画期的なアプリといえる。コレが本当に運用されればどれ程の視覚障害の人に対して喜ばれるものか、想像を超えた反響を呼びそうだ。ここではそんなタッチパネルであるスマホのアプリとして開発された『擬似点字入力アプリ』を少し見てみよう。

便利なものを使いたいという望みから

タッチパネルを利用したスマホはどうしても健常者向けの商品といっても過言では無い、そうなると必然的に視覚障害を背負っている人々はそんな便利アイテムを使うことすら制限されてしまう。それではさすがに不公平であり不平等だ、だからこそ企業としてもそれなりに考えた製品を作り出してはいるものの、根本的な解決を導いているとは言いがたい。そうした中で動いたのはほかでもない、全盲者である一人の男性が画期的といえるアプリを作り出した。

その男性は76歳で点字・録音図書を出版している社会福祉法人桜雲会にて理事を務めている『長谷川 貞夫』さんという方だ。彼が作り出したその擬似点字入力アプリによって、まだ試作段階ながら視覚障害を抱えている人でもスマホを自由に使いこなすための、一歩を踏み出すことに成功した。現在も開発が続けられているそのアプリとは『IPPITSU』と呼ばれるモノで、縦3列と横2列の6つの丸印が並んでいるシンプルな画面で、コレは通常の点字と同じ配列になっている。そのため事前に点字に慣れている必要がはあるものの、全盲の人にしてみれば今まで使うことは出来ないと見られていたスマホも思い通りに仕えるようになるなら、希望を持つことが出来る。また作成した文字が合っているかについては成功すれば本体が振動し、更に音声で読み上げてもらえるという機能も搭載されている。

なんとも凄いものが開発されたと関心してしまう、ただこういうものは率先して開発するべきなのは企業では無いのかと思ってしまう。ただ体裁を考えればやはり社会福祉法人にて理事を勤めている人が開発した方がいいのかもしれない。こうしたアプリを無料で配布し、全盲で諦めている人達に世間一般の最新機械を操作できるようになるのは願ってもないことだろう。

このアプリを開発した長谷川さん曰く、やはりスマホのような便利なものを健常者と同じように使いこなしたいと、その1つの思いから開発するまでに至ったという。そうしたところを汲み取っても、視覚障害というハンデを背負ってはいるものの、自分たちも同じように便利なものを活用していきたいと考えているようだ。

スキルをブラッシュアップ!

こうしたところも課題

長谷川さんは元々こうしたタッチパネル関係の問題に関してはかなり前から深く関係している、それも駅の券売機、郵便局のATMといったものにも何とかテンキーを配置してくれと直談判を行っていたなど、少しばかりアクティブなところがある。結果としてそうした声に応えるために郵便局のATMにはテンキーが基本設計として組み込まれたが、駅の券売機に関してはそうした実現は難しかったのかもしれない。

こうしてみると分かるように、タッチパネルは確かに便利だが視覚障害の人々にとってこの方式を取り込んでも、自分たちが文字を打つときが不便だという一点に縛られて利用を制限されてしまう、そういう意味で最初から敬遠されてしまうだろう。それではなんとも悲しいところだ、こうした問題を解消するためにも企業は解決策を模索し続けていってもらいたいところだ。

タッチパネルが導く電子機器の未来

ここ数年間で進化した電子技術の1つである『タッチパネル』、スマホに導入されたことでより日常に身近な存在になったものの1つだ。そして意外と知らないだろう、タッチパネルについての知識や原理など、全般的に知らないことだらけだったので全部ひとまとめにして調べてみた!