視覚障害者とタッチパネル

全盲者にとって、フラットなタッチパネルによる入力の難しさ

技術開発されるに至っては、『すべての人が便利だと感じられる開発』でなければならないが、こうした便利という言葉と現状は大きな乖離を生み出してしまっている。タッチパネルとて例外では無い、タッチパネル式の機器が導入され始めるようになっていった2000年代初頭、その頃からこうした問題があるから改善しなければならないといった声があがった。タッチパネルにすることで困る人々、それは視覚障害を患ってしまっている全盲の人々だ。程度はあるが、基本的には満足にものを見ることができない、すべてが暗闇に閉ざされた世界での生活を余儀なくされている方々だ。正直なところ、健常者にはそうした苦しみを本質的に理解することは出来ないだろう、実際になってから初めて実感できるのが関の山だ。簡単に言えば、全員が絶対に目が空けられない状態で、今までどおりの生活をするこが出来るのかどうかという問いをしている者だ、当然回答はNOと答えるだろうが。中には気配だけですべてを察知する事が出来るという、そんな並外れた技術を持ち合わせている人間など、いたとしてもかなり訓練されていなければ得られる技術では無い。もし今この瞬間、視界を奪われるようになったらパソコンや携帯を見る事は当然、生活に必要な衣食住さえ満足にこなせなくなってしまう。その生活がどれ程過酷で、残酷で、絶望的な状況なのかは述べられるようなモノでは無い。

そんな人々にとってタッチパネルという時代の先端技術は厄介な代物でしかない。もちろんキチンと対策が講じられているのであれば話は別だ、しかし銀行などのATMや駅の券売機といったものに応用されているタッチパネルに触っても、スマホなどのように振動が伝わる機能は備わっていない。目が見える人なら当然のように扱うことが出来るタッチパネルも、全盲者にとって便利になることによる更なる日常生活の生涯が増えるだけだという現実も知る必要がある。

視覚障害者が日頃から感じている弊害

資格に何の支障をきたしていない人にとって、全体を把握したい場合には視線を動かして状況を確認することは出来る。だが全盲、もしくは視力が極端に低下して眼鏡などの矯正道具を用いても不十分という人もいるはず。そんな人達にとってこの世界はどんな風に見えているのか、そのことから少し紹介したい。

視覚障害を患っている人々が抱える現実問題

  • ・電車にて座りたくても空いている座席の位置を確認することができない。 また空いていてもその場所を知ることができない
  • ・歩道を点字ブロックにそって歩いていると、時折駐輪している自転車にぶつかる事がある
  • ・雑踏の中で移動していると方向感覚を失ってしまい、自分がどの方角に向かえばいいのか分からなくなる
  • ・家の電灯が今付いているのか消えているのかを把握できない
  • ・いつでも何処でも好きなときに出かけることが出来るといった、行動の自由を行使することができない

ここで紹介したのはほんの一例に過ぎない、ただコレだけでも十分に分かると思うが、障害を背負っている人々がどんな世界で生きているのかを。五体満足、今回において視界に焦点を絞っているが、世界が見えるというのは本当は奇跡のような体験なのかもしれない。それを当然のように受け入れて、さらにあたかも見えている事が当たり前と考えてはいけないのもここで理解出来る。

生活するだけで毎日が死と隣り合わせといっても過言では無い視覚障害、そんな人達からすればディスプレイを見て操作しなければならないタッチパネルは最新鋭の技術なのかもしれないが、自分たちを蔑ろにしたものであると捉えている人は少なからず存在しているだろう。ただそうした人々も防戦一方ではなく、導入しても自分たちが操作をするのに困らないような技術の導入は怠らないようにしてもらいたいという動きを見せることもある。

スキルをブラッシュアップ!

郵便局のATMを例として

各地にある郵便局に配置されているATMには、他の銀行ATMにはないちょっとした仕掛けが搭載されている。それは画面の左右と下、そこには画面と対応しているボタンがあるのを知っているだろう。利用したことがない人もいるが、このボタンこそ視覚障害を抱えている人々に対して作られた装置だ。この装置をいじることで例えタッチパネル方式を導入しているATMでも、何とか使いこなすことが出来る仕様となっている。

それに比べると銀行のATMについてだが、ここでは一例として『横浜銀行』・『りそな銀行』・『三井住友銀行』の三社に絞ってみると分かると思うが、どのATMも肝心の画面操作において視覚障害の人でも使いこなせない使用になっている。また先に述べた二社の銀行ATMに関しては、数字入力に関しても全て画面をタッチしなければならない仕様となっている。三井住友に関しては一部のATMでは画面で操作し、数字入力はテンキーが設置されているタイプの物もある。それでも不十分なわけだが、とにもかくにも全盲の人にしてみればどちらも操作する上で不自由となってしまう点なのは変わりない。

コレまで特別疑問に感じる事無くATMを操作してきたが、こうした点で考えてみるとタッチパネル方式を搭載した電子ATMを導入した銀行のやり口は、あまり感心したモノでは無いことが分かる。必要だったからという理由が付いても、それでもこれでは視覚障害の人は銀行の預貯金を利用するのではなく、全て郵便局を利用していろといっているようなものだ。窓口を利用するという手もあが、行動を制限されていることを踏まえると、窓口利用は便利さからかけ離れているといわざるを得ない。

タッチパネルが導く電子機器の未来

ここ数年間で進化した電子技術の1つである『タッチパネル』、スマホに導入されたことでより日常に身近な存在になったものの1つだ。そして意外と知らないだろう、タッチパネルについての知識や原理など、全般的に知らないことだらけだったので全部ひとまとめにして調べてみた!